当院の人工透析室は、医療療養病棟に入院されている患者さまを対象とした施設となっています。透析患者さまの中には重度の認知症の方やADLの低下が著しい方、病状が安定していない方などさまざまな患者さまがいらっしゃいます。こうした患者さまにも安全で安楽な透析医療が提供できるよう、医師、病棟看護師、透析スタッフ、他職種スタッフと協力しています。
透析室内は、ベッド間隔を広くとっており車椅子で入室の患者さまには安全に移乗ができます。また多くの窓から日光が入るため明るくて温かみのあるフロアです。
機器・設備
- 透析用水作成装置1台
- 透析液溶解装置1台
- 透析液供給装置1台
- 多用途透析用監視装置16台
- 個人用多用途透析装置1台
- 血漿浄化装置1台
全自動透析装置によるオンラインHDF(血液透析ろ過)が可能で、患者さまに合った血液浄化療法を選択しています。オンラインHDFを安全に行うために厳重な水質管理を行った透析液を供給できるように努めています。
血液浄化療法
- 血液透析(HD)
- 血液透析ろ過(HDF)
- 限外ろ過(ECUM)
- 吸着療法(LDL-A)
- 腹水ろ過濃縮再静注法(CART)
バスキュラーアクセス管理
シャントなどのバスキュラーアクセス(VA)は患者さまの命です。シャントを管理することで質の高い透析治療につながります。当院では定期的にシャントの超音波検査を実施することで早期なシャントトラブルに対応しています。
また自己の血管が乏しく穿刺困難であったり、穿刺できる部位が極めて限られたりとシャントの再建が困難な場合には当院外科医による長期留置型カテーテルの挿入手術が可能です。
長期留置型カテーテルとは首や太ももの付け根部分などの太い静脈にカフ付きのカテーテルを深く挿入し、血液透析を行う方法です。穿刺時の疼痛がなくシャント肢の安静がフリーとなる利点があります。